次なるバトンをつなげるために。
前理事長である夫が残された時間をかけて立ち上げた活動を2017年6月に受け継ぎました。夫が旅立った後でした。看護師の資格を持ちながら、長年、家庭に入っていた私にとって、理事長という肩書きで社会に出ていくことは大きな人生の転機でした。決断と覚悟、勇気が必要でした。おぼつかない私がこうして、ここまで活動を続けることができているのは、ひとえに支えてくださるみなさまの存在です。共に歩んでくれる仲間が傍にいることです。そして「元ちゃんハウスがあってよかった」と言う来訪者の声です。心より感謝を申し上げます。夫の遺志を受け継いだ活動は私自身のグリーフケアでした。生きる意味でした。そして、今、次なる人たちにどうこのバトンを手渡していくか、その岐路に立っています。
がんを抱えた患者さんや家族が、その人らしくがんとむきあい、その人らしく生きていく…、がんとむきあう会は、がんに影響を受ける人がほっと一息つける、心理的な安全性が担保された常設の場を地域につくってきました。愚直に、真摯に、切実に、ぶれることなく当事者第一で歩んできました。がんという経験は患者さんだけでなく、家族や友人、学業や就労、生活など、社会全体のあり方に関わるものです。だれもががんとむきあう当事者です。だからこそ、この活動は医療、介護、福祉のみならず、地域全体として取り組んでいかなければならないと思います。大切なのは地域の人とひとのつながりです。
がんとむきあう会はこれまでに増して「内」から「外」へ打ち出ていかなければならないと考えています。そのために必要なのは「人」と「資金」です。次なる世代にバトンを引き継ぎ、「がんと共生できるまちづくり」をさらに一歩推し進めるために、皆さまの変わらぬご理解とご支援を、心よりお願い申し上げます。

がんとむきあう会 理事長
西村 詠子
がんとむきあう会の沿革
【活動への礎】2010年~2014年
- 2010:北陸がんプロ市民公開講座
- 2011:第1回「金沢一日マギーの日」 →以降、市民が対象の公開講座を毎年継続して開催。
- 2013:がんとむきあう会として活動をスタート(任意団体)
【常設の拠点づくり】2015年~2020年
- 2015:「食事の教室くでん」で定期的ながん患者支援活動を開始
- 2016:千住真理子リサイタル共催 →法人設立・常設拠点づくりにむけた資金調達開始/
特定非営利活動法人がんとむきあう会設立(初代理事 西村元一)/
「元ちゃんハウス」をオープン、金沢市石引に常設の拠点設立/
金沢市、国立病院機構金沢医療センターと三者協定を締結 - 2017:石川県や金沢市など自治体事業の委託開始/ピアサポーター育成開始/
日本癌治療学会学術集会ブース出展 - 2018:金沢市、金沢大学附属病院と三者協定を締結/石川県10番目の認定NPO法人として認可/
地域に開かれた暮らしの保健室開始(2021年度まで)/21世紀美術館主催展示会の場となる - 2019:小松ソフィア病院協定調印/がん患者遺族の会開始/看護実習受け入れ開始
- 2020:新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下での活動体制構築/
小児慢性特定疾病児童等自立支援事業受託/「北陸地区頭頚部がん患者と家族の会」発足支援
【地域・全国との連携】2021年〜
- 2021: 明證寺での講演→以降お寺での講演依頼に協力
- 2022:食道発声教室開始→以降患者会活動支援を続ける
- 2023:メールマガジンの配信開始/お出かけ元ちゃんハウス開始/チャリティーコンペ開始
- 2024:能登半島地震被災地支援開始/元ちゃんハウス2F ギャラリー・ケアリングオープン
- 2025:元ちゃんハウス文化祭開催
組織概要
- 名称
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認定特定非営利活動法人がんとむきあう会
- 設立目的
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当会は、総会(正会員)、理事会、監事、事務局で成り立っている。
- 所在地
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〒920-0935
石川県金沢市石引4-4-10 越屋メディカルケアビル(元ちゃんハウス) - 法人関係書類
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設立趣旨書(PDF)
定款(PDF)
役員名簿
理事長 | 西村 詠子 (にしむら えいこ) |
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副理事長 | 櫻井 千佳 (さくらい ちか) |
理事 | 米森 直子 (よねもり なおこ) 任田 和子 (とうだ かずこ) |
監事 | 櫻井 勝 (さくらい まさる) 榊原 千秋 (さかきばら ちあき) |